13. スピルリナ効果測定報告書が完成しました
2012年4月から2013年2月まで現地NGOのProgramme Against Malnutritionと共にザンビアの慢性栄養不良児へのスピルリナの効果を検証し、発育への有意な効果を確認することができました。
ザンビアのルサカ州チョングウェ郡カナカンタパ村で実施された本調査では、対象者のうち半分にはお粥のみ、残り半分にはスピルリナ10g入りのお粥を与え、その発育の違いを1ヶ月毎に計測しました。
結果はスピルリナを食べたグループで身長について統計的に有意な改善効果がみられました。今回の結果は「低身長」が深刻なザンビアにおいてはスピルリナが栄養介入に有効な手段になりうることを示唆していると言えます。
調査報告書のダウンロードはこちらから可能です。 (→和文、→英文)
本調査設計には慶應義塾大学医学部の武林亨先生、安井正人先生、横浜市立大学の森田智視先生、国際協力機構の花田恭先生・力丸徹先生、首都大学東京の白木隆司氏(当時)にご協力いただきました。データ収集には中村明子氏、データ集計には一橋大学大学院の井上亮氏、東京大学大学院の井上雄太氏、そしてデータ分析にはジェトロ・アジア経済研究所のアブ・ションチョイ先生、政策研究大学院大学博士課程の増田一八氏にご協力いただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
本調査はその結果を評価され、世界的に著名なイギリスの開発機関である「IDS(Institute of Development Studies)」が発行する「IDS Bulletin」の栄養不良に関する英文出版物に掲載される予定です。出版は2014年の半ばを予定しています。
当財団の栄養改善プロジェクトはこれからも学術的な手法を活用し、科学的アプローチに基づいた本当に現地に効果をもたらすプロジェクトをアフリカにおいて実施していく計画です。
本調査結果については、10月12日に開催するセミナー、
「Beyond 2015 ポストMDGsに向けて:いま世界が注目する新しい支援のかたち~アフリカにおける栄養改善への取り組み~」
においてわかりやすく説明する予定です。