スピルリナ栄養教育における教材開発プロジェクトを開始しました。
アライアンス・フォーラム財団では、2015年4月より12月までの8か月の間、学生有志5名のボランティアの方々のご協力を得て、支援を続けているザンビアのBauleni Special Needs Project (以下、BNSP ※注 )の子どもたち、ならびにその周辺で生活する子どもをもつ母親を対象に、栄養啓蒙を行うことになりました。
プロジェクトを一緒に進めてくださるのは、創価大学Global Citizenship Program (GCP)5名の皆さんです。ゼミで途上国の慢性栄養不良を研究され、その中でアライアンス・フォーラム財団の取り組みをお知りになりコンタクトしてくださったのが2015年1 月でした。
私たちの取り組みについてなどの情報交換の後、その流れから今回のプロジェクト実施に至りました。
アライアンス・フォーラム財団が支援を行っているザンビア・ルサカにある教育施設。
困難な境遇に置かれている児童・生徒、特に特別支援自動に包括的な教育を提供し、自立を促すことを理念として設立され、小中学校、特別養護教育、専門学校を1994年より運営している。約600名の児童・生徒が在籍している。
4月10日 プロジェクトキックオフ
この日より、ザンビアで私たちが活動する中で見えてきている課題についての共有や、学生の皆さんからの提案など、具体的な取り組みが開始しました。
この取り組みでは2か月ごとに創意工夫を凝らした教材を導入し、ザンビアの人々に参加してもらう栄養啓蒙に活用します。
視覚的にかつ楽しくに学んでもらえるように、ポスターやかるた、紙芝居などを作成します。
内容は、子供向けには体の仕組みと食物の関わりから栄養群、お母さんたち向けには栄養群などに加え、慢性栄養不良のもたらす影響、妊娠・出産時における栄養摂取に関することも伝えていきます。
まずは原案をこちらでお伝えし、学生の皆さんからの提案を元に、プロジェクト担当者や栄養士の助言の元、軌道修正をしていくという作成手順です。
4月27日 第1回目の教材完成
第1回目の教材が財団のスタッフに手渡されました。
「体のしくみ」を説明するための、とても分かりやすい教材です。
大きな人体を描いたシートに、どこにどの臓器があるのかを貼れるようになっています。
どのパーツも大変よく出来ています。
将来的に、現地の先生たちが自分たちで生徒に教えていけるよう、スクリプトもしっかり作り込まれています。
制作の様子を写真に撮ってもらいました。
今回の有志5名の他、ゼミの仲間たちも制作を手伝ってくださっています。
学業の傍ら、短期間で大変クオリティーの高いものを作ってくださり、財団のスタッフ一同、大感激です。
5月11日 ザンビアに教材到着
現地より教材到着の連絡が入りました。駐在員の森長も大喜びです。
早速、私たちが活動しているBSNPで、教材を使った授業実施の連絡を入れます。実施日は10日後に決定!
5月21日 教材を使った初授業
第1回目の「体のしくみ」のセッションが行われました。
対象は、Grade 9(日本でいう中学3年生)の生徒30名です。
以前に多少は、このような授業を受けたことがある生徒たち。
しかしながら、肺や腸の役割などを答えられない生徒も見受けられました。
楽しく学んでいる様子が伝わりますね。生徒たちからは復習ができてよかったという声が聞かれました。先生たちからも好評で、今後も継続して欲しいと言ってくれました。
6月2日 上級生から下級生に。
教材を使った初授業から半月。今後は初授業を受けたGrade9の生徒たちが、同じ教材を使って下級生たちに同じ内容のワークショップを行いました。
ホールを使い、Grade1から7 までの100人以上の生徒に向けて、上級生が頑張ってくれています。下級生に手を貸している姿がとても印象的です。下級生はからだのつくりに関する授業を受けるのは初めてですが、クラスを担当した上級生は森長駐在員から教わった内容に沿ってきちんと指導する事ができたそうです。
ザンビアでは黒板に先生が書いた内容をノートに書き留める学習形式が一般的で、このような体験を通した学習という機会はなかなかないので、子どもたちにとっても記憶に残る良い授業だったようです。
これからも下級生が参加型の授業を通して栄養についてしっかりと理解を深められるように、上級生も十分に理解しリーダーシップを発揮できるようお手伝いをしていきます。
教材作りはまだまだ続きます。次回の教材も楽しみです。