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Workshop on Enhancing Financial Inclusion in the COMESA region -Through Enhancement of the Regulatory and Supervisory Framework-実施報告

<要約>
本研修は2013年第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の際に行われた「AFDPアフリカ首脳・経済人会議」の成果事業の一環で、アフリカ地域においける「ファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)推進を通じた貧困削減」という目標のもと、アフリカ開発銀行、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、アライアンス・フォーラム財団が協働で主催したマイクロファイナンス実務者向けのプログラムです。COMESA地域19カ国より各国中央銀行及びマイクロファイナンス機関の実務者計33名をケニア・ナイロビに招き、金融包摂推進のための金融法規制監督の地域共通のガイドラインについて6日間議論を繰り広げ、具体的な提言を作り上げました。

2016年2月24日〜3月1日、ケニアの首都ナイロビにて東南部アフリカ市場共同体(COMESA)地域のファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)推進に向けた金融法規制監督の共通ガイドライン策定に関する研修プログラム『Workshop on Enhancing Financial Inclusion in the COMESA region 〜Through Enhancement of the Regulatory and Supervisory Framework〜』をアフリカ開発銀行アフリカ民間セクター向け支援基金(FAPA)の支援のもと、同行及びCOMESAとアライアンス・フォーラム財団が協働で開催しました。前回2014年12月にザンビア・ルサカにて開催した『Microfinance Training Course for Policy and Development~Microfinance Regulations & Supervision towards Financial Inclusion~』の成果物であるマイクロファイナンス推進のための金融法規制監督の課題化と提言の内容を発展させ、今回の研修では地域の優先課題を精緻化し、金融法規制監督上の共通のガイドライン策定にフォーカスを当てました。

COMESA研修全体写真

本研修にはCOMESAメンバー国の内17カ国から、中央銀行の金融規制監督の実務者を18名、マイクロファイナンス機関の実務者を15名が各国セクターを代表して参加しました。またアフリカの金融包摂に関心をもつ日本企業からも7名の参加がありました。前回の参加国15か国に加え、今回ジプチ、エリトリアの参加者が新しく加わり、多様な国々のマイクロファイナンスの第一線で活躍するプロフェッショナル達が一堂に会し、6日間集中的に議論を交わしました。本研修のプログラムは埼玉大学辻一人教授に監修され、ケニアのマイクロファイナンス機関K-Rep銀行を擁するK-REPグループの共同創設者であるKimanthi Mutua氏を主任講師として実施されました。主な研修内容として、前回研修のレビュー、各国の金融包摂推進のための優先課題とアジェンダのプレゼンテーション、マイクロファイナンス機関やマイクロ保険機構の視察、金融包摂推進のためのCOMESA地域共通の金融法規制監督のガイドライン策定の協議を実施しました。

COMESA各国地図と研修参加国一覧

6日間の研修の成果として、参加者は金融包摂推進のための法規制監督上の最新の優先課題を規制監督者、マイクロファイナンス提供者、顧客等の様々な観点から体系的に捉え、19項目の課題を特定の上、それぞれの課題に対する共通の目標設定と目標に向けた具体的対策を協議しました。研修最終日には、COMESA各国における金融包摂推進の政策の礎となる、地域共通のガイドラインへの提言をまとめ上げました。本研修の成果物は各提言の裏付けとなるデータを整備の後、成文化し、COMESA閣僚評議会にてCOMESA共通のガイドラインとして承認されることが期待されています。また、2016年8月に開催される第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)にて、他アフリカ諸国向けに金融包摂推進のための政策のモデルとして発表される予定です。本件を通じてアフリカ諸国の金融包摂が一層促進され、貧困削減の一助となれば幸いです。

本研修についてはCOMESAのウェブサイトでも紹介されています。COMESAウェブサイトはこちらからご覧ください。

(※写真:デジタルファイナンスにより貧困層に”Pay as you go”方式でソーラーランタンを提供するM-KOPAより講義を受けている様子)
M-KOPAによる講義の様子

(※写真:ナイロビ市内の公園で野生のライオンを見ることもできました)
ケニアの野生のライオン