ファズレ・ハサン・アベッド氏を偲んで
2019年12月20日、バングラデシュ人民共和国ダッカ市において、BRAC(Bangladesh Rural Advancement Committee)の創始者兼会長であり、当財団と深い関わりがありましたファズレ・ハサン・アベッド氏(Sir Fazle Hasan Abed KCMG)が逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表明致します。
ファズレ・ハサン・アベッド氏は、1972年にバングラデシュ北東部の辺境地において、独立戦争終結後、帰郷難民の生活復興支援のためBRACを立ち上げました。47年経過した今、BRACは世界でもっとも影響力のあるNGOの一つとなり、世界1億人以上の人生を支援して来ました。BRACは、途上国開発、マイクロファイナンス、公共事業、大学、銀行を含む多くの投資活動を、アジア・アフリカの11か国と米国・英国・オランダの支部にて実施しています。2009年2月には、バングラデシュおよび世界各国における貧困緩和の功績に対し、英女王より聖マイケル・聖ジョージ勲章ナイト・コマンダー(KCMG)を授与されました。
当財団は、ファズレ・ハサン・アベッド氏を通じて、BRACとの連携により、2009~2014年にかけ、7回のマイフロファイナンス・コースを発祥の地、バングラデシュにおいて開催しました。日本企業・大学、またアフリカから多数の受講者が参加し、専門家の育成を行いました。2014年以降、アフリカCOMESA(東南部アフリカ市場共同体)19か国の中央銀行、マイクロファイナンス機関の実務者による共同提言につながり、世界的規模のマイクロファイナンスを通した貧困削減への取り組みとなりました。
2010年3月ダッカにて
(左)アベッド氏、(右)原 丈人代表理事
当財団は、ファズレ・ハサン・アベッド氏の財団活動への多大なる貢献に深く感謝し、故人の冥福をお祈り申し上げると共に、今後も同氏の遺志を引き継ぎ、活動して参る所存であります。
2019年12月
一般財団法人アライアンス・フォーラム財団