現地NGO・TMSSを訪問
こんにちは、アライアンスフォーラム財団ダッカ事務所長兼プログラム・マネージャーの本村(もとむら)です。本ブログを読んでくださってありがとうございます。
さて、皆さんは、NGOというと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
NGOとは、Non-Governmental Organizationの略で、日本語で言えば非政府祖組織。日本で最近よく耳にするようになったNPO は、Non-Profitable Organizationの略で、非営利組織のこと。広義には、NGOはNPOに含まれます。日本では、NGOは「国際協力に携わる民間の非営利団体」という意味合いで使われますが、ここバングラデシュでは「貧困層に福祉と開発サービスを提供する組織」と定義するのが一般的です。そのNGOがバングラデシュでは、社会サービス省に登録されているだけで2万3000団体以上(2000年の段階で)も存在することから、バングラデシュはNGO大国と呼ばれます。そして、私が15年以上前にバングラデシュをフィールドとして教育開発を研究していた頃からそうですが、バングラデシュでは、企業や政府と比較して、NGOの社会的な存在価値が非常に大きいです。日本でよく知られているNGOでは、創設者のムハマド・ユヌス氏と共にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行、アーロン(Aarong)というバングラデシュで最も有名なハンディクラフトショップを有するバングラデシュ最大のNGO・BRAC(ブラックと読みます)があります。グラミン銀行が運営する携帯電話会社グラミンフォンは、なんとバングラデシュ最大の法人税の納税者であり、最大の雇用提供者でもあります。
今日は、バングラデシュの現地NGO、TMSS(Thengamara Mohila Sabuji Sangha、テンガマラ婦人協会)の本部を訪問した日のことをご紹介します。今回の訪問目的は、私のダッカ事務所着任のご挨拶と、今年9月にアライアンスフォーラム財団とTMSSが協働で企画しているバングラデシュ・マイクロファイナンス(Microfinance、略してMF)インターンシップコースについての打ち合わせでした。TMSSは、組織名にも婦人という言葉が入っているとおり、主に女性と家族の生活向上を通じた貧困撲滅、社会経済開発を目的にバングラデシュ北部の街ボグラで1980年に設立されて以来、バングラデシュ全土で60以上に上る様々なプロジェクトを活発に実施している団体です。1980~90年代のBRACのような勢いのある現地NGOです。彼らとの打ち合わせということで、とてもわくわくして出かけました。
TMSSの事務所について、まず驚いたのは、彼らは大きなビルをひとつ丸ごとオフィスとして使用していることです。前述のBRACやグラミン銀行のビルも大きいですが、まずその事実に驚かされます。また、TMSSのオフィスビル内には、彼らが運営しているクリニックもありました。
マイクロファイナンスを担当する部署のDirectorは、もちろん英語は堪能で、非常にロジカルな上に人柄も良く、TMSSの人財の質の高さを感じました。バングラデシュ国内だけでなく、スリランカやベトナムでも、SME(Small and Medium sized Enterprises、中小企業)や農業分野でマイクロファイナンスコースを計画しているとのことでした。また、バングラデシュ国内では40種類以上もの研修を実施しており、私がダッカから離れた彼らの本拠地ボグラにおいて、実際のマイクロファイナンスの現場を視察したいと要望を出すと、すんなり受け入れてくれました。やはり現場に行かないと、何も見えません。彼らと共に現場を見に行き、9月にバングラデシュMFインターンシップコースを提供するのを楽しみにしています。ちなみに、コース対象者は、学生さんや社会人です。本ブログでも広報させていただこうと思いますので、どうぞお楽しみに。