地域栄養啓蒙員の神対応に感動!
バングラデシュよりこんにちは。途上国事業部門 栄養士の太田旭です。
突然ですが、バングラデシュのソウルフードとも言えるカレー、こちらでは本当に毎日カレーを食べているということを信じられますか? 実際の所、私も現地人スタッフも、朝は豆カレー、お昼は野菜カレー、夜は魚又は海老のカレーを当たり前のように毎日おいしくいただいております!
このプロジェクトで1年間かけ実施した調査の結果でも、私たちのプロジェクト実施地域の5歳児以下の子ども達の食卓には、“魚カレー”が最も多く出現しているという状況が明らかになりました。この地域は川や海が近いだけあって肉厚な白身魚を比較的安価に入手することができます。お肉やお魚が高価でなかなか手に届かない地域ということもあり、この“魚カレー”は地域の食を支える貴重なタンパク源となっているのです。
さて、そんな魚カレーの美味しいこの地域で課せられた今回の私のミッションは『食物へのアクセス制限がある塩害地域の子どもの栄養改善プロジェクト』で設置したCommunity House(=地域保健の家、以下「CH」)15か所全てを訪れ、Community Nutrition Volunteer(=地域栄養啓蒙員、以下「CNV」)の活動の様子をモニタリングし、プロジェクトの進捗状況を評価する。という内容でした。
主なモニタリングポイント4点
①、プロジェクトで作成した栄養教育教材は上手に活用できているか
②、調理器具や身体測定器材は正しく使用・管理できているか
③、CNV達の健康・栄養・食に関する知識レベルはどの程度まで向上したか
④、CHの運営状況は地域の生活スタイル・ニーズに合っているか
これらをモニタリングしつつ、CNV達と交流会という名の悩み相談会を催し、専門家としてフィードバックコメントをプロジェクトメンバー全員に共有しました。このフィードバックコメントは、プロジェクトの仮説の見直し、目標の再設定、活動内容の修正を行う際に役立てるという目的のもと共有しています。実際に、先日開催された2017年下半期会議でも早速フィードバックコメントを受けての修正案が活発に挙げられました。
実は、この時期バングラデシュの沿岸部では豪雨による洪水被害が相次ぎ、プロジェクト地でも浸水により一時稼働できないCHがありました。私の滞在中も毎日雨が降り、本来地域の人達に訪れてもらうべくCHに誰も人が来られないという状況に見舞われました日がありました。しかし、そんな日でも大人しく待っているだけのCNV達ではありません!!傘を握りしめ、妊婦さんを優先的に毎日家庭訪問をして地域の栄養啓蒙活動を続けているのです。
「お腹の大きい妊婦さんや子ども達が足場の悪い中転んで怪我でもしたら大変だからね」と、笑顔で語るCNV達の神対応に感動させられました。