マダガスカルへスピルリナ生産施設視察
前回の更新からすっかり時間が経ってしまいました。ザンビア駐在員の森長です。
今回はザンビアではなくマダガスカルでの話です。
なぜマダガスカルかと言うと、現在行っているプロジェクトの一環で同じアフリカの環境下でスピルリナを生産している施設を見学して生産コストを削減できるポイントを学んでこよう、ということで今年2月末にマダガスカルのスピルリナ生産施設を見学しに行ってきました。
実は以前ザンビアで実施したスピルリナのパイロット生産で使用したスピルリナは、マダガスカルのこの施設から郵送してもらったもので以前から繋がりがあり、今回の視察が実現しました。
マダガスカルに行くのは私自身も初めてでとても楽しみにしていきました。最初の印象は、「でかい」。国土の面積は、約58.7万㎞2で日本より大きく、実は世界で第4位の大きさを持つ島でした。また、米の一人当たり消費量が日本より多く、田んぼの風景が至るところにありました。バニラの生産量が世界一という特産もあります。
首都のAntananarivoは標高約1200mに位置し、ザンビアの首都Lusakaと気候が似て涼しかったですが、私が訪問した施設は首都から飛行機で約1時間(車だと道路状況が悪いため20時間くらいかかるとのこと)のマダガスカル南部の海沿いにあるToliaraという町で、ザンビアの乾燥している気候に慣れていた私には湿気と気温ともに高く日中で36℃にもなり、日中座っているだけでも汗が流れるほどでした。スピルリナの生産には絶好の気候です。
さらにマダガスカルの人々の起源は、5世紀ごろボルネオ島から人が先祖になっていると言われていて、「アフリカの中のアジア」と言われるくらい文化の融合地点です。「ザ・アフリカ!」という感じではなく、ところどころにアジアを感じさせるものがありました。
訪問したスピルリナ生産施設は、Toliara大学で教授をしているVololonavalona Bemiaranaさん(名前が長いですが、通称:Volaさんです)が運営し、家族でスピルリナの生産活動を行っているところでした。
※Volaさんと記念写真
この施設は、Volaさんの家の敷地内に併設してあり、そこに3泊泊めさせてもらいながら生産活動の様子を視察させてもらいました。視察と言いつつも、実際に収穫作業をやらせてもらい自分で体験しながらその手順や生産工程を学びました。収穫作業は、まだ暑くない朝8時から2時間くらいで行われます。収穫したスピルリナを乾燥室に入れ、天候により8‐14時間で乾燥し、包装し作業完了です。ここでは生産から収穫、乾燥のほぼ全行程を手作業で行っているためザンビアでの事業にとってとても参考になりました。
この3日間ではVolaさんの家に泊めさせてもらった上に、毎食作ってもらい、マダガスカルのローカル料理も楽しみました。Volaさんをはじめ家族の人もみんな初対面なのにも関わらずとてもフレンドリーで良くしてくれ、スピルリナの生産技術だけでなくマダガスカルの文化に触れられたこともとても良い経験になりました。アジアっぽいアフリカということがあるからかもしれませんが、とても自然に溶け込んで生活できた気がします。
※収穫した直後の「生」スピルリナをマヨネーズに入れて使うことも。美味しかったです
Volaさんは、ここで生産されたスピルリナを町の薬局などで販売しているとともに、Toliara市の栄養不良の子どもたちが集まる施設に配給し人々の栄養改善にも貢献していました。
しかし、とても順調そうでいい話のようですが、正直なところ薬局での売り上げが多くなく、また他のマーケットもなかなか見つからなく販売の部分で苦労しているということを教えてくれ、「ぜひ日本の人に販売してくれ」と何度もけっこう本気で言われました。
ですので、お世話になったVolaさんに代わりここで宣伝します。
マダガスカル産スピルリナに興味がある方はぜひアライアンスフォーラム財団にご一報を下さい。
※Volaさん一家と記念写真