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カルチャーショックとアラウディン

アッサラーム・アライクム!もう覚えていただけましたか?イスラム教徒の方々への挨拶の言葉ですよ(実は、ベンガル語ではなくアラビア語)。
バングラデシュ事務所カントリーマネージャーの本村です。

さて、突然ですがクイズです。長崎といえば、長崎ちゃんぽんですよね。では、ダッカといえば?

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答えは交通渋滞!!(料理じゃないんかいというツッコミはさておき)。
去る2015年6月16日にダッカに着任した時、当事務所の運転手さんのアラウディンがジャムジャム言っていて、一瞬なんらじゃらほいと思ったのですが、Traffic jam(英語で交通渋滞の意)のことだったんですね。本日は、交通渋滞に関連して、私がダッカ赴任後に受けた数少ないカルチャーショックと、当事務所の運転手さんをご紹介します。

バングラデシュの首都ダッカで働く外国人にとって、関係先とのアポイントメントの時間設定は、非常に頭を悩ませる仕事のひとつだと思います。なぜなら、交通渋滞による時間のロスをどれくらい見積もったらよいか、事前に読めないから!ひとたび車で外出をすれば、リキシャにバスにCNG(シー・エヌ・ジー、圧縮天然ガスを使用)、リキシャバン(リキシャに荷台がついた乗り物)にリグナ(一度に14名乗車可能な小型バス)、富裕層を中心に増えている自動車、そして近年特に若者達の間で人気を集めている自転車や二輪車が、我こそ先にと縦横無尽に走り回り、世界最悪とも言われる交通渋滞を作り上げています。街に信号は少しはありますが、交通整理をする警察官の方々が大忙しです。

左写真:駐輪されている二輪車、右写真:バスの運転手さん
    ※二輪車市場はインドメーカーがリードしている           ※お髭が立派なバスの運転手さん

左写真:走行中のCNGを後ろから撮影、 右写真:レトロな自転車    
※主に中間層以上が利用するCNG(シー・エヌ・ジー)      ※レトロな自転車。若者にはマウンテンバイクが人気。

ダッカの交通渋滞への対処方法としては、私の場合は、最低30分くらいは移動時間を多く見積もります。例えば、アポイントメントが朝10時からの場合、車での移動に1時間かかりそうなら、8時半には事務所を出ます。それくらい早く出ないと、安心して車内で新聞も読めません。雨が降ってきたりすると、更にリスクは高まるからです。

と、ここでちょっとしたカルチャーショック。というのは、これは別の方のアポイントメントに同行したときの話ですが、交通渋滞が原因でアポイントメントの時間に30分ぐらい遅れても、先方はあまり気にしている様子がないのです。もちろん、交通渋滞にはまって、アポイントメントに遅れそうだとわかった時点で一報は入れるのですが、どうも皆さん、ダッカは交通渋滞がひどいので、相手がアポイントメントに遅れるのは織り込み済みのようなのです。

とはいえ、アポイントメントに遅れないほうがいいのは、当然のこと。ここで、当事務所のスーパー運転手さん・アラウディンを紹介します。

 運転手のアラウディン氏と愛娘アリブ         
                     ※アラウディンと愛娘アリブ

いま40歳の彼は、バングラデシュ南部の港町ボリシャルの農村部出身。5歳になったばかりの愛娘アリブを含む家族を残し、ダッカで単身赴任しています。英語でもコミュニケーションが取れる彼は、ボリシャルで患者や遺体を搬送する救急車を運転していた経験もあります。基本的に安全運転でありながら、ダッカの裏道もよく把握していて、住所を渡せば、目的地まで最短距離で我々を運んでくれます。また、記憶力が非常に良く、一度行った場所はルートを大抵覚えています。結果として、交通渋滞に時折は巻き込まれながらも、私や関係者を安心してアポイントメントに間に合わせてくれるというわけです。

我々の駐在員生活は、アラウディンのような優秀なスタッフたちに支えられています。家族から離れて頑張る彼のためにも、彼の家族のためにも、私も頑張らねば。ではまた次回!