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アライアンス・ラーニングプログラム(講義レポート)
東京農工大学

2020年11月25日

東京農工大学「イノベーション推進特別講義Ⅴ」として、「How to create social values with no one left behind」をテーマに一日集中講義を行いました。本年も日本を含むアジア、アフリカ、太平洋諸島等様々な国籍の大学院生や企業派遣研修生の方々にご参加いただきました。今置かれている世界の現状理解、中・長期的な未来予測、コロナなどの不確実性を踏まえた未来デザイン、共通価値の創造等を理論、データ、ワークショップに加え、途上国事業(AFDP)部門のビジョン、アクション、現場経験を組み合せることで、より実践的なプログラムを提供致しました。

先ず、世界の現状を総観し社会の仕組みがどうなっているのかを議論しました。株主資本主義の考えに基づく仕組みの上では、関わる全ての人達が必ずしも公正な経済的社会的利益を享受できないこと、短期的な利益を求める結果、新しい価値を創造するイノベーションが起きにくいこと等を話し合いました。加えて、この仕組みの上では、個々の成果が報われない可能性があることや、報われていないことにすら気づかず不当に利益が搾取される可能性があること等を指摘し合いました。こうした議論を通して、社会の仕組みそのものを先ず理解し、公正な社会へと変革することの重要性を認識しました。

次に、自分自身が社会の仕組みや社会そのものに囚われていないか、客観視するためのワークショップを行いました。他者との対話を通して自分自身を振り返り、かつ他者も振り返ることで、本当の価値・目的をお互いに紡ぎ出すことに繋げました。例えば、会社は株主のものだと考える人達はなぜそう考えるのかを話し合い深く理解することを通し、公正な利益とは何か、本来の会社のあるべき姿とは何かについて考えました。また、ケニアにおける美意識を取り上げ、本質的な価値意識がどこから生まれるのか、それを受けてビジネスとしてどう構築すべきかを議論しました。これらの議論を通し、表面的な意見やニーズを捉えるのではなく、その深層にある本質的な価値観を捉えることを学び合いました。

最後に、本来の自分達の在り方を認識し、異なる立場や意見の人達と、公正で豊かな社会をどのように合意するか、という問いに取り組んでいただきました。その中で、理念を磨き上げること、理念を他者が理解できるようリーダーシップを取ること、理念によって世界の発展を方向づけることの重要性等を実感して頂いたと思います。受講者は農学及び食料エネルギーシステム博士課程の学生や企業派遣の社会人等の理系人材の方々でしたので、理想とする社会や理念の実現にその知識・研究・技術をどう結び付けていくかを意識して頂けたと思います。

私達AFDPメンバーも多様な受講生のご意見、対話を通じて大きな刺激を頂きました。私達もこういった‟仲間“との出会いを大切にしながら、理想とする社会実現に向け、事業実践にチャレンジし続けたいと思います!

*AFDP部門では、こうした研修プログラム(アライアンス・ラーニングプログラム)をご要望に応じて提供しておりますので、ご関心のある方は是非お気軽にお問合せ下さい。

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